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貴女をお守りします。ずっと、傍で……
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結構続く。


始まる前から次回予告。

次回、遂に、あの少年が……




 
 
 家の留守を任せて、てか主に録画をして貰う為にミクに家の留守を任せて、オレとリンは二人で警察に向かっていた。……言っておくが、断じて、犯罪をした訳じゃないからな! 本当だぞ! 確かに昨日の夜は危なかったけどな……
 莫迦な話は置いておいて、オレがこの警察署に来たのは、黒田刑事に相談する為だ。朝家を出る前に電話をしたら、言葉二つでOKしてくれた。助かったぜ。
 警察署に入り、受付の女性警官さんに黒田刑事を呼んでもらうと、直ぐに黒田刑事は現れた。……目を点にして、オレの隣を眺める。まぁ無理もないよなぁ、この前まで、オレの隣に居たのはミクだったんだからなぁ。
「……新手のアンドロイドか?」
 目を点にしたまま、確実な予想をして来た。その話はこれからしますよ、黒田刑事。
「解った。じゃあこっちだ」
 そう言って、黒田刑事は一つの部屋に案内してくれた。良かったぜ、取調室とかじゃなくて、普通の会議室で。
「バカヤロウ、あそこはテープレコーダーで常に録画・録音してんだよ」
 成る程……会話筒抜けっつー訳か……
「そういうこった」
 テーブルに座ると、黒田刑事は煙草を加えて火を点ける。先程から黙ってオレの横に着いて来ていたリンが、咳を一つして、手で煙を撒いた。――ちょっとー、黒田刑事ぃー、此処に純粋無垢な少女が居るんスけどー?
 そう言うと悪い悪い、と黒田刑事は言って、煙草を仕舞った。立ち上がって換気扇を入れると、暫らくして部屋の中の煙は消えた。
 さてと、話し合いの場所も出来たことだし、本命に入りますか……
 オレは黒田刑事に、リンの事、そしてそのリンに弟のアンドロイドが存在しており、それを探すのを手伝って欲しいと云う旨を告げた。……まぁ、黒田刑事も一応刑事だから、そこんところは仕事を優先してもらいたいけどな。
 旨に対して黒田刑事は少し悩み、顎を擦った。
「ん~……此処だけの話なんだがなァ」
「?」
「今俺は一つのヤマをやってる所でなぁ。片手間になるぞ? 何せ京都と東京を行ったり来たりの生活だからな」
 ……マジか、そんなスゲー事件でも起こったのか?
「ああ。……だから言ったろ、此処だけの話だって。実は京都に存在する御三家の一つ、日向家の跡取り娘が失踪中でなー……全く困ったものだ」
 何処の世の中も、漫画の中でも、お嬢様はすげぇのね。誘拐されたりマスクつけて借金執事を救ったりと……うむぅ、その事件が終わらないと駄目か……
「悪いな……おっと」
 その時、黒田刑事の携帯電話がなった。……こりゃ駄目だ、そっちはそっち、こっちはこっちで片付けないと駄目みたいだなぁ……
 ――警察署を出たオレとリンは、兎に角リンの弟レン(仮)を探す為に町に出る事にした。ミクにも連絡したかったけどな、でもミクは携帯電話持ってないし、それに家に電話はついていないからな、呼ぼうにも呼べない。
 仕方ない、オレ達だけで探すか。その弟は見れば解かる……よなぁ、オレの勘だと、多分見た目レンだろうからなぁ……あれも目立つか。
「それに、私双子機だから、センサーが壊れてても、近くに居れば……解かるよ」
 そうか、なら大丈夫だな。問題はこの街に居るかどうか、だよな。まぁ兎に角、リンはあの公園が気になる訳だろ? そこに先ずは行ってから考えるか。
 それに対してリンも肯く。……あの公園かぁ……まさかもう一体降って来る……とかはねーよなぁ……
 そんな事を心配しながら向かった公園だが、どうやら今回は落ちて来なかったようだ。助かったぁ。携帯電話も、常備持ってるPSPも別段異変はねーしな。それで? 当のリンセンサーはどうなんだ?
 耳に手を翳しながら目を瞑っているリン。サーチ中ってやつか……
 辺りを見渡すと、子供連れが結構居る。やっぱり日曜日だし、天気も良いからな。子供達よ、オレの様に道を誤っちゃいけないぜぇ。
 そんな事を考えながら待っていると、リンが終了したらしい、腕を下ろした。
「駄目だよ、解らない」
 そう、か。此処の近くにはいないって訳か。オレ達のアパートがある所で反応しなかったって事は、あの辺には居ないって事だよな。てか故障しているつーけど、そのセンサーってどれくらいの精度なんだ?
「えーと……わかんない。故障している時なんてシミュレートした事無いから……」
 だろうな。最初に会った時の感覚から見ると、どう考えてもリンは製造されてまだそんなに経っていない感覚だもんな……
 ――ってまてよ。リンがセンサー使えるなら向こうも使える筈だよな? 向こうが故障している確率って、どんなもんよ。二人同時にぶっ壊れる事なんてある訳ねーよなぁ……いや、あるか。もし、もしこの時間軸に転送された衝撃でセンサーが壊れたんなら、向こう側も壊れてるって考えるのが普通だからな……
 やっぱり地道に探して行くしか無いか。未来世界のセンサーだから、故障していてもかなりの精度と祈って、兎に角別の住宅街に行ってみるか。若しかしたらオレと同じ様に、アンドロイドをうっかり保有しているヤツも居るかもしんねーし。
 大丈夫だって、多分、生きてるって……ん? アンドロイドに生きているって云う表現は微妙か……
 まぁ良いや。兎に角、市街地を通った向こう側にある住宅地に行って見よう。あの辺りは高級マンション区域だったよな……
 
     ■■■
 
 京都行きの新幹線を取ったのは、少年、遠藤観光が警察署を出てから数分後の話である。全く手掛かりが無い上に、本当に東京に居るのかさえ怪しい。仕方が無い、京都に行く、と云うのが、黒田雄介の上司、赤城洋一の決定であった。
 直ぐに車で駅まで行き、新幹線に乗り込んだ。京都までの長旅である、二人は駅弁を買い、車内販売で飲料を買った。黒田は正直、この新幹線でのひと時が余り好きではなかった。だが流れていく景色は好きだった。
 味のある京都、日本の伝統と呼ばれている場所であるが、こう何度も、しかも仕事で行くとなると、気が滅入るものである。加えて、この上司は余り好きではなかった。どこまでも現実主義であり、組織を組織としか見ていない人間――無論、その様な人間が居なければ組織である警察は成り立たないのであるが……
 流れて行く景色を眺めながら、駅弁を頬張る。これこそ旅の醍醐味であるのだ。
「……しかしまぁ困った嬢ちゃんですね」
 ふと、その様な事を黒田は呟いた。本を読んでいた赤城洋一は、少し顔を上に上げて窓の外を見る。
「確かにな。だが我々も仕事だ、無駄口叩かずに処理する」
「そうですねー」
 矢張り苦手だ、好かない。黒田は聞こえない様に舌打ちをすると、再び景色を眺める事にする。――だが、退屈なのは仕方が無い、相手に話を振る事にする。
「娘さん、幾つでしたっけ?」
 寡黙だった赤城の顔が上に上がる。
「……もう一〇歳になる」
「名前は……愛美ちゃんでしたっけ?」
「そうだ」
 時が流れるのは速いものである。娘が産まれたと報告を受けたのがつい最近の様に思える。……しかし、この赤城、夫はこれでも、妻の方は軟らかい雰囲気の女性である。本当に、どの辺りに共通点があり、愛し、愛されたのかが不思議な所である。
 此処で、赤城の冷たい視線に耐えかねて、黒田は言葉をそれ以上紡ぐ事をやめた。煙草でも吸おうと思ったが、この席は禁煙である。我慢する事にした。黒田は回りの人間ほどヘビースモーカーでは無い。
 今の内に、今一度探すべき娘の名前を確認しておく事にする。
「――桐島人見……か。年齢二三歳、いい年して家出……か」
 
     ■■■
 
 ――結局見付かる事は無かった。くそー、どこにいるんだよ……やっぱりこの街には居ないのか……?
 オレとリンはがっくりと肩を落としながら、家に戻った。時刻は夕方の五時、ミクには随分と待たせたなぁ。代わりと言っちゃなんだけど、ネギ……って、何でも二次元と一緒にしても仕方がないか。アンドロイドのミクまでネギが好きな訳無さそうだし……
 家のインターフォンを押すと、ミクが出迎えてくれた。
 ……ああ、かなりご立腹だ。
「マスター・ミオ……どうして私を置いて行ったんですか……ずっと一人で……」
「ご、ごめん。でもほら、ね、色々とあるからさ。あー、録画しておいてくれた?」
「はい……一応……」
 今は気にしてても仕方がない。夕食作るから待っててくれ。
「あ、手伝います」
「リンもー」
 ありがたいけどさ、まぁリンは疲れてるだろうし、ミクには今日迷惑掛けたから、オレが全部作るよ。うどんで良いか?
「ではネギをいっぱい入れてください」
 ――マジか。
 
 夕食終了。アンドロイド達はもう眠いのか首が左右に揺れている……ははぁ、ミクの姿を見ていると癒される……じゃねぇよ。オレはオレで色々と何とかしないとな……
 レンは何処に居るのか……それ考えねーと。もっと簡単に探す方法ねーかな……。黒田刑事には未だに繋がらないし……忙しいんだろーな。
「ミク、リンも、眠いならもお寝ろよ」
 ふぁい、と言うミク……ヤバイ……。てか忘れてたけど布団、買うの忘れてたな。
 今日も囲まれるのか? おい!
「マスター……寝ましょう」
「おにーちゃん、此処空いてるよぉ」
 ……やばい、やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい――ッ!
 ループ始めたぞこのヤロー。
 ――ごめん、理性砕けた。寝ます、寝させていただきます。ああー、ミクの胸が顔に当たる、やめろ、いや、やめなくて良いけど……いい匂いだ……
 リン、お前今日は起きて外行くなよ?
「むにゃあ……おにーちゃん」
 ――どうするかな……本当に――
 
 

                    to be continued......


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