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貴女をお守りします。ずっと、傍で……
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次回予告を翻し、少年は出ません。


……いやだって、ちょっと色々と頑張ったら出せなかったんだもん……






 
 
 夜中に目が覚めた。体を起こすと、隣ではミクとリンが寝息を立てている……よかった、今日はそのまま寝ているみたいだな。オレは体を起こすと、PCの電源を入れる。目が覚めちまった。
 ぱっ、と明るくなるモニター。左下の時刻を眺めると、まだ二時半頃。……お、メールフォームにメールが入ってる……黒田刑事からか……
「……桐島人見……?」
 はて、誰だ。――メールを読み進めると、どうやらこの人物が行方不明のご令嬢らしい……随分だな。でもどうしてこんな情報をリークしたんだ? オレが頼んだのは、レンの捜索なんだけどなぁ。
 っと、思ったけど何々……近所の人間の聞き込みで、一度京都に戻って来た桐島人見が……金髪の少年を連れていた? これがレンの可能性あり……か。根拠はあるのかよ。――ふぅん、未来が如何とか、とか言っていた言葉を聞いている人間が、居たか。ふむぅ……でも、そんな人間がホイホイ見付かるとも思えなさそうだな……しかもこれが事実なら、この街には居ない、筈なんだよな。
 もし、この桐島って人が、オレがリンと出会った同時刻に、あの公園の別の場所でレンと出会った……で、この京都に居る訳だから、京都にレンが居るって考えるのが基本なんだけど……流石に京都まで行く金は無いなぁ……
 オレは頭を掻く。京都まで行くのには新幹線に乗る必要がある。今、京都まで行くのにどれぐらい金掛かるんだろうなぁ? 一万円でもキツイ、今リンも居るしな。やっぱり、此処は黒田刑事に任せるしか無い。――メール送信っと。
 さて、そうなると当分こっちは動かなくても良さそうだな。リンには明日の朝に説明する事にしよう……ああ、明日から学校かぁ……
 PCを少し動かして、様々なサイトをめぐると、時刻は四時。今から寝れば、四時間は寝れるか。よし、寝るか。
 でもまぁ、流石にこの二人の所に入るのは……無理。仕方なく、毛布を被って、別の場所で寝る事にした。あの中に入ると、何かが壊れる音がするんだよなぁ、オレの中の重要な部分がポキリと音を立てて壊れて行くと言うか……
 まぁ良いや、今は兎に角寝よう。明日の学校で流石に眠い目をこすって講義を受けたくは無い。頭の中を空っぽにして、オレは、意識を無に返す事にした。
 
 
 翌日、無論オレは学校だ。大学に行かなきゃならない。電車に乗って、三つ先に存在している駅で降りて、学校に通う。
 留守番に関してはミクに一任した。リンは色々と文句を言ってたけど、ミクに一任した! もう無理、流石に学校をこれ以上休めねーし、休んだ単位落とすだろうし。だって結構ギリギリの状況で受けてるんだぜ? 一つでも落としたら大変だっつーの、オタクは大変です、はい。
 学校に辿り着いて、掲示板を眺める。……別段問題は無さそうだ、オレは目を離して講義に行く事にする。
 ……ミク、ちゃんとやってるかなぁ……?
 
     ■■■
 
 マスター・ミオが行ってから一時間が経過しました。マスターは別に何もしなくて良いと言っていましたので、テレビを見る事にします。……お昼ご飯は冷蔵にあるそうなので、電子レンジで温めて食べてくれ、と言っていました。
 リンちゃんはさっきから私の隣でテレビを見てます。……先程まで、レン君を探しに行くと言っていたんですけど……何とか落ち着いてくれたみたいです。
 ――この間、私を置いてどこに行っていたのかと思いましたけど、そうでしたか、レン君を探しに行っていたんですね。リンちゃんの……えーと、お兄さん? 弟さん? その辺りは良く解りません。
 でも、やっぱりかわいそうですね。マスターはこの街には居ないって言ってましたけど……それは本当なんでしょうか?
 ……でもマスターは家を出るな、と言っていましたし……あ、でも買い物に行っておいてくれとは言われました。――でも家を出るな、と……うーん、マスター、私はどっちの命令を優先したら良いんでしょうか?
 ぴぴぴ……? なんでしょうか? あ、マスターの携帯電話……マスター、忘れて行ったんですね。液晶画面を覗くと、其処には、「黒田刑事」と表示されていました。……仕方ありません、このままお切りする訳にも行きません。マスター、すみません。
 私は内心で謝りながら、携帯電話の通話ボタンを押す。
「もしもし――」
『あれ? ミクちゃん? ――遠藤観光はどうした?』
「マスターは学校です。携帯電話を置いて行ったようでして……」
『参ったなー……まぁアンドロイドでも大丈夫だろう、ミクちゃんでも』
「はい?」
 黒田さんは一体何を言っているのでしょうか。何がご用件ですか? 金ですか?
『いやいや……若しかしてミクちゃんって今、「相●」の再放送でも視てるのかい?』
「はい。この過去の世界に来てファンになりました。これは面白いです」
『……影響されやすい性格だな。まぁ良い、兎に角、用件は一つ、遠藤観光に頼まれていたレン君についてだ』
 受話器の声が聴こえていたのか、それまでテレビを視ていたリンちゃんが急に起き上がって、受話器に耳を近付ける。
「……はい」
『レン君なんだがな……どうやら東京に戻っているらしい。恐らくその周辺に居ると思われる』
「え、そうなんですか?」
 つまり……マスターの推測は間違えていた、と云う事ですか……
『そうなるな。確かに、二日前までは京都に滞在していたようだな、ホテルにて裏は取れている。だがその後の動きがわからなかったんだが、先程漸く解った。
 桐島人見は戻ってる』
 わ、解りました。ではマスターに伝えておきます。
『頼む。俺も今日中にはそっちに戻ると遠藤観光に伝えておいてくれ』
 了解です。それでは……
 私は電話の〝切〟ボタンを押して、電話を切る。……レン君が、この街に戻って来ている、と云う事ですか……リンちゃん?
「うん……あの、ミクおねーちゃん、お願い、私を外に……」
 でもそれじゃあマスターの命令に背いてしまいます。
「お願い……おにーちゃんに怒られるのは私で良いから!」
 ――……解りました。行きましょう、買い物に。
「え?」
「マスターの命令の中に、買い物も存在していました。なら、買い物に行きましょう」
「……うん!」
 ごめんなさい、マスター。
 
     ■■■
 
 携帯電話のボタンを押し、ポケットの中に携帯電話を突っ込むと、黒田雄介は、新幹線の席に戻る。……遠藤観光、肝心な時に携帯電話を忘れるとは、少し呆れながらも、苦笑する。兎に角、これで何とか桐島人見も見つけられる。
 席に座ると、自らの上司を見つける。相変わらず小説を読んで、景色を見ようとはしない。全く、堅物にも程がある、と雄介は溜息を吐く。
 ……しかし、ミクだけに任せて大丈夫であろうか、と雄介は内心心配であった。確かに、しっかり者のアンドロイドらしいが……少し心配である。が、心配したところで、数時間はこの新幹線の中に閉じ込められていなければならないのである。如何し様も無い。
 ――桐島人見がこの京都に戻って来た理由は、何やら家に侵入し、何故か物置に存在していた木刀を持って行ったのだと言う。……家族は何か危ない橋を渡っていなければ良いのだが、と心配をしていた。
 木刀――あの観光が持っていた剣。そしてあの議員の剣……それに関連する事柄であるのなら、矢張りそれに対処する為に木刀を持って行ったのか……そもそも、京都まで来る金があるのなら、買えば良いではないか、と雄介は思っていた――現代では、木刀を売っている場所はまばらである――。
 新幹線から見える光景を眺めながら、雄介は新幹線で東京へと向かう。
 
     ■■■
 
 ――家を出て、商店街を歩きます。リンちゃんはさっきから辺りを見渡して、レン君を探しているみたいです。私には、自分と同じ型のモノを察知するサーチシステムは搭載されていません。あるのは、自己防衛システムだけです。
 平日なのに人は多いです。そろそろ昼ですので、お昼ご飯を食べに行く人が多いって事ですかね。私達、こうして外に出てますけど、お昼ご飯は如何しましょうか……
 まぁでも、リンちゃんは探していて、帰ろうと言っても多分帰らないと思いますので……仕方ないですね、でもマスターが戻って来るまでには帰らないといけません。
「うん、解ってるよ、おねーちゃん」
 はい、じゃあもう少し向こう側を探して見ましょうか。此の辺は、探したって、さっき言っていましたね。この間、マスターと一緒に来た時ですか?
 私が問い掛けると、リンちゃんはうん、と肯いた。そうですか、マスターは本当に凄い人ですね。私達の事、全部面倒を見てくれています。――私はお世話様アンドロイドなんだけど……どっちがお世話されているのか解らないです。
 ……それにしても、どうしてリンちゃんとレン君は一緒に落ちなかったんでしょうか。一緒に転送されたのなら、どうして一緒に落ちなかったのでしょうか。……私達アンドロイドは、マスターの元に届けられる際には、必ず、ちゃんと、その指定された場所に落とされなくてはなりません。だから、もし、リンちゃんとレン君が、二人で一つのお世話アンドロイドなのでしたら、同時転送で、同時に落ちないと行けない訳ですから……
 私のその疑問に、リンちゃんは首を捻る。
「そうなんだけど……どうしてそうなったのかは解らない」
 そうだよね、私は双子機として作られた訳じゃないし、それに、私の先陣機はもう存在していませんから、お兄さん、とか兄妹の話は解りません。
「私達にも、確かに先陣機が居たけど……私もそっちは解らないの」
 ……そうだよね。私も――お兄さんの名前は、KAITOって名前だったみたいです。
「私はMEIKOって名前でした」
 ……シリアルナンバー、私達一緒なのに――やっぱり違う、どうしてでしょうか。
「解らない……。
 ――、あ、若しかしたら――」
「若しかしたら?」
「……来た未来が違う……とか……」
 ――確かに、そうでもしないと辻褄が合いませんし……若しかしたら、来た未来が違うのもそうですけど、時間軸が違うのかもしれない、と云うもの選択欄の一つですね。
「うん――同じ09180324だしね……」
「そうですね。でも同調は可能でしたし、何かしらの互換性はあるみたいですね。同じヒダカ社製ですし……」
「何があるんでしょうかね……私達に。
 そして、どうして私達は、マスターの元に、時間を越えてやって来たんでしょうか……」
 
 

                    to be continued......



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