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貴女をお守りします。ずっと、傍で……
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再掲載三回目。



何度も(ry ボカロ小説です。






 
 
 地元に存在している携帯電話ショップは、自転車で一〇分位した所に存在している。……無論、自転車で一〇分と云う事は、歩いて数分掛かるわけでありまして……今日の様に、複雑な事情で歩いている自分は凄まじく疲れているわけでありまして。
 熱い! 本当に六月ですか!? 異常な厚さだ。携帯電話見たら最高気温二九℃だそうだ、ふざけんな。
 ミクがどうしても付いて行くと言ったから仕方なく、自転車をやめて歩いて携帯電話ショップに行くわけでありまして。その後は秋葉原まで行ってコンピュータショップに行かなくてならないと言う。
 ええい、畜生。
「申し訳ありません。私のせいでこんな事に……」
 ほんとだよ。とは言えなかった。本当に落ち込んでいるミクを見ていると、怒るに怒れない。プラス、先程の苗字いただきます発言のせいで、オレの頭はどうやらオーバーロードしているらしい。
 ――幸い、辿り着いた携帯電話ショップは冷房が効いており、天国のようだった……おお。離れたくないが、これが終わった後パソコンショップもあるからな。とっととやってしまおう。てな訳でミクは此処で待ってて。
「はい。マス……じゃなくて、ミオ様」
 はぁ、これ馴れるのは何時だろうな。
 
          ◆
 
 地元に居るときは全く問題なかったが、やっぱり秋葉原に来たら目だった。ミクそっくりさんが、ミクに化けている様なものだからな、嫌でも視線は集る。
「……ミク、早く行こう」
「? はい、ミオ様」
 ここで様付けは止めてくれ。
「? はい、マスター」
 それも駄目。殺されるから。
「? はい、ミオ」
 OK。これから秋葉原に来る時はミオかミオ君でお願い。
「はぁ……そんなに気に召しませんでしたか? 私、結構ネーミングセンスあると思ったのですが……」
 さんが付くかどうかの話にネーミングセンスは要らないよ。
 兎に角、このパソコンを買ったパソコンショップに入り、パソコンを渡す。……予想以上に掛かりそうだな。取り敢えず、中のどの部分が駄目になったかでパソコンの修理の値段は変わる。取り敢えず数日預ける事になった。
 そして急遽、次の目的も決まった。
 それはミクの服だ。――このまま初音ミクの格好じゃコスプレにしか見えないからな。なんとか別の服を数着かって置く必要がある。あと下着とか下着とか下着とか……
「服ですか?」
「うん。――いやだってさ、女の子だし、何時までも同じ服と云うのは……どうかと思うし」
「そうですね。よろしくお願いします」
 それはオレに選べと言っているのか?
「そうです。私、これからミオ様と住むんです、ミオ様が見ていて可愛いと思う服を選んでもらいます」
 ……今直ぐこの妙な妄想をする頭をぶち壊したい。一瞬嫁かぁ、と考えたこのオレの頭を壊したい! マジです。
 てかこの子、おかしい。高スペック過ぎる。オレ、この子と一緒に住んで……耐えられるのか?
 いやいや、何を考えている。
 
 ――で、今服屋に来ているわけでありまして。
 オレはひたすらぼうっとしているだけ。ミクは何だかんだ言ってやっぱり自分で選んで自分で可愛いと思ったものを買い物籠に入れている。
 ……その姿だけ見ていると、本当にアレがアンドロイドだとは思わないな。どう見ても、只の普通の女の子だ。あれをアンドロイドと思え、と言う方が不可能な話だ。目の前で、普通に笑顔を振り撒いて、普通に駆け回って……本当に、あれはアンドロイドなのか? でも血は出なかったしなー、凄まじい情報を引き出したり、コントロールしたり、例えアンドロイドじゃなくても、普通の人間じゃないよな。
 そんなこんだでオレがもんもんしている中、どうやらミクの服選びが終わったようだ。此方を見ている。オレは重い腰を上げて、ミクの場所へと歩いていく。
 服の中からオレの予算で許す範囲だけ買って、他は戻した。ミクは少し不満そうな顔をしたけど、流石にオレの予算を解っているらしい、それを顔に出す事はなかった……多分。
 
          ◆
 
 漸く家に戻ってきた時には昼を一時間回っていた。急いで昼食の準備をしようとしたら、ミクがやると言った。
 ……そうか、一応お手伝いロボットだもんな。任せても大丈夫だよな。
「ふんふん」
 鼻歌交じりに料理をするミク。ああ、大丈夫そ――
 
 ドゴォ! ガン! ドルルル!
 
 うじゃない!
 なんだこの音! 料理の音じゃないぞ!
「ミク待て! 何の音だ!?」
「ふぇ? 料理です」
「料理でそんな音が出るかァァッ!」
 因みにその後、苦情が来て、きっちり怒られた。
 
          ◆
 
 そんなこんだで、遂にミクとの同居生活最大の山場。……夜です、寝る時間です。うとうととしているミクは既に布団に入っている。それは良い。
 問題は一つ――布団が一つしか無いことである。
「…………」
 結局……
「一緒に寝ましょう」
 こうなったか……
 ミクの一言を断れなかったオレは駄目人間だと確信した。――本当に……ヤバイ、何か起こしそうで怖い。ごめんなさい、ミク、オレもしかしたら狼になるかも知れない。……アンドロイドを襲うオレ……なんとも愚かなのだろうか。
 泣きながら布団に入ったら、案外早めに睡魔が来てくれた。……オレの意識は……――
 
 
                              to be continued......
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