貴女をお守りします。ずっと、傍で……
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もう終わるよ。
そろそろシリアス脱却を図りたいけど、当分無理そう……
くそ、負けないぞ! 僕は頑張って、シリアスを脱却するんだ!
ヤメテアゲテー!
……どうでも良いが……スマン、カッコつけ過ぎた。今になって後悔してもしかたないんだけどなぁ……今目の前で暴れている人見さん(MEIKO寄生ヴァージョン)は普通の人間が行っても多分相手にならない。いや、マジで。
だって今冷えた頭で冷静に考えてみると、相手、オルトソード持ってんだろ? 先週に使った事があるから解っているんだ、あれ、マジでチート。未来ぱねぇ……未来チート……
粒子科学とか知ったこったねーし……そんなのガン●ムでしか見た事ねーし。しかもそれが実際に完成しているって事が未来スゲーって所。因みに一番スゲーのはミクとかリン、レンが完成している所。
――――っだぁっ! ンな事考えても如何し様もねーんだよ! 問題は! 如何にして! あの! 人見さん! (MEIKO寄生ヴァージョン)! を! 何とかするか! だよ!
一歩踏み出して、後ろを振り返ると、丁度逃げ出している頃合だった。おーい……、と手を上げても、駄目だ。
お、ミクがこっちを向いた……
……凄い、悲しい顔をして手を振っています。……え、何? オレ死ぬの? マジで?
いやだぁ! オレまだ死にたくない! まだグッズ買い足りない! 生き残りたい、生き残りたい! まだ生きていたい!
そんな叫びも聞こえる筈も無く、オレは後ろにある妙な気配を感じて咄嗟に走った。
ずん、と重い、鈍い音を立てて、さっきまでオレが立っていた場所に、何か、クレーターの様な……
一歩ミスってら、オレ、死んでた。アレ食らったら死ぬ、マジで。――つか、オレなんでオルトソードだせねーの!? 出ないと死ぬよ!?
そんな事考えている間に、人見さん(MEIKO寄生ヴァーry)がもんの凄い形相で襲ってくる。うひょーっ!
ずん、ずん、ずん、どん、どん、ばか、ミシ……
嫌な音だけが後ろで響いている。一回でもあの音の主が直撃――や、多分掠っただけでももう終わりだろうな。グッバイ此の世になりそうだ。あの世でデュエルしてやんよ! うわ、寂しい……死にたくねー……当たり前だよ。
でも命乞いしても返してくれそうにはないな、怒りで我を忘れているとかそんな感じを、オレは人見さん(MEIKO寄ry)から感じる。ま、あの優しい人見さんだし、両親が嫌になって家出をしたって、言ってた様な気もするし、それがトリガーなんだろうな。
ああ、オレはオルトソードを出すトリガーが欲しいよ、マジで。
しっかし……
「――、速っ――っ!」
意外にも人見さん(MEIKOry)は速かったのである。パネェ――これが、オルトソードの力なのかっ……! と考える暇も無く、走り続けるオレの体力は、徐々に尽きて行くのでありまして――そもそも、引き篭もりOTKであるオレにとって必要以上の運動は体に毒な訳でありまして……結論、もう体力がヤバイ。
ぜいぜい、と肺が悲鳴をあげている。これ以上走れない、止まれ! と、警告信号を鳴らし続けているんだけどなぁ――
「この状況でっ! ぜぃ――ぜぃ……止まれるかッ!」
それが現実です。止まれば真っ二つ、あの世行き。でも止まらなくても息が続かなくなって、それと疲労が蓄積していずれ真っ二つ。どちらにしろ、真っ二つ。真っ二つに分かれた選択欄、最後も真っ二つ。
そんな最後しか迎えられないオレ。やっぱり死ねない、真っ二つでは死にたくない。かと言ってこの歳で他の方法で死ぬと云うのも嫌だ。せめて老衰で、にこやかに、苦しまずに死にたいものだね。
だってそうだろ? 人間皆痛いのヤダからね。
今この状況で唯一、人見さん(ry)を止められる方法があるとすれば、やっぱりそれはオルトソードを具現化させる事。そうすれば、何とか止められる。オレ(KAITOヴァージョン)が現れてくれると云う可能性もあるしな。
何はともあれ、オルトソード、オルトソード。重要なので二回言いました。
「かはぁ――ッ!」
息を吐くと、熱い息が一帯に停滞する。……一気に飛び込んで、瓦礫の中に身を隠す。此処で、少し、休憩、しねーと……
――はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ――
肺が痛い、体が熱い。周りはさっき爆発した時の熱が逃げ切っていなくて、一帯咽かえる様な暑さだ。これから夏が始まるってのに……此処でもっと熱い環境を体験しているよ。
肩で息をするオレはもう走れない。脚も痛いし、それに何より、もう意識が朦朧として来た。くそ、暑さの中で更に走ったからな……しかも全力で。それくらいになっても全く問題ないぐらいの暑さだ。
埒が明かねーな、一刻も早く人見さんを元に戻さないと、マジで警察が逮捕しちまう。今ならまだ黒田刑事と、そのお供しか居ないから良いものの、今度は大群さんなんだろうな。多分、自衛隊とか、SITとかそんな類が来たりして。機動警察とか。それだけはマジで勘弁、だって一週間前も捕まってたってのに、何でまた聴取の為に捕まらなきゃなんねーんだよ……しかも多分、今度は只じゃ済まない。母さんとか親父も今度こそ、来るだろうな。
でもその前に何とかするのがオレの今の使命――だと信じたい。
「■■■■■■■―――ッ!」
「んわッ!」
何時の間にか、後ろには人見さんがオルトソードを構えてっ!
急いでオレは回避行動を取る。背中を着けていた瓦礫を使って、転がり、横へと逃げると、直ぐにでも全力疾走! これで止まれば死ぬ! マジで死ぬ! 冗談抜きで!
「ひ、人見さぁん!? 目を覚ましてください!」
よっ! はっ! せやっ! ――クソ、紙一重だっつーの……っ。
「ぬぅあ……あああ……わた、しは……」
オルトソードってこうなる事もあるのか……くそったれ、随分なもんをオレに押し付けてくれたな! それと、レンきゅんもどうしてこんなもん……よっ! 持ってたんだ!?
確か渡されたって言ってたな。それと、マスターには渡す様にと言っていたんだから――つまり、リンとレンの居る未来世界では、オルトソードは普通なのか。そして、ミクが来た未来世界では、これは警察だけが持つ事が出来る特殊兵装――と。
「私の……気持ちはッ! 縛られるだけの物じゃ、ないッ!」
随分と爆発しているなっ。畜生! 解っているけど、こんなやり方間違ってんだろうが!
隙を見て一気に足に力を入れて、前方に跳ぶ。オルトソードを斬り付けた勢いそのままに、その間をすり抜けて、人見さんの肩を掴む。そのまま一気に――押し倒す!
我ながらスムーズに出来たな。此処までスムーズに事が進むとは思っていなかったぜ。さて、押し倒したまま如何するか……
「人見さん! 目を覚ましてください!」
ベタだ。只頬を叩くだけ。
だけど――
「――んぐっ! ああああああああっ!」
「オマエニワカッテタマルカ!」
く、が……く、び、しめ……ああ、あああ、ああ、あ、あ、ああああっ。
ぎりぎり、と音を立てて、オレの首は絞め上げられる。押し倒しているオレの体重を、下から突き上げた腕が握っているオレの首に全て掛ける――だから、これが、まさに、自分で自分の首を絞めるってヤツ……?
「オマエは、シッテイル、普通を……」
――。
「私の、クルシミガ、解って、タマルカ!」
解るかよ、んな人の心なんざ! 一言も喋らねーんだからな!
「ヘイササレタ、家の中で、カンシサレテ、言われるがままに、キメラレタミライヲ、走るだけの人生!」
おーおー……一般人にとっては素晴らしい人生ですね、何も考えなくても良いんだからな。まぁでも閉鎖された世界に居るのはやだなぁ……渋谷じゃあるまいし……
「ダカラ! だから! ヤツを……殺す」
―――――。
「可哀想だな、オマエ」
覚醒する。
to be continued......
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